【健康】“悪者扱い”されていたコーヒーが、いま見直されている理由


「飲み過ぎると胃が荒れて胃潰瘍になる」「肌に悪い」など、健康に悪い印象のほうが強かったコーヒー。だが近年、そのイメージが覆され始めている。動脈硬化を起こす生活習慣病と食物との関係を研究する、東洋大学食環境科学部の近藤和雄教授は次のように語る。

「動脈硬化の一番の原因といえるのが悪玉コレステロール。悪玉コレステロールは酸化することにより、血管を厚く・硬くしてしまいますが、その酸化を防ぐ物質にポリフェノールがある。そして日本人が最も多くポリフェノールを摂取しているのがコーヒーなんです」

ポリフェノールといえば、近藤教授が動脈硬化予防の効果をいち早く実証し、ブームにもなった赤ワインやチョコが有名。「コーヒーのポリフェノールにも同様の効果があるのはすでにわかっていたがコーヒーはブームにならなかったため、最近までその効果が広く知られていなかったんです」とのこと。

「またオランダの研究では、一日あたり30㎎以上のポリフェノールを摂取したグループは、そうでないグループと比べて心筋梗塞になる割合は半分以下という結果が出ています。ほかにも『一日2杯以上のコーヒーを飲む人にはシミの抑制効果が認められる』とする研究がありますし、国立がん研究センターでは一部のがんについてリスク低下との関連が示唆されています」

管理栄養士の安中千絵氏によるとほかの健康効果も数多く報告されているという。

「クロロゲン酸(コーヒーポリフェノール)の脂肪燃焼効果や、カフェイン摂取による代謝アップ効果など、コーヒーにはダイエット効果のある物質が含まれています。そしてアメリカ国立衛生研究所が’12年に発表した研究結果では、コーヒーを飲むことで心臓病、呼吸器疾患、脳卒中、糖尿病などによる死亡が低下するという結果が得られています。一方で、『胃に悪い』というイメージについては、それを否定する研究結果も出ていますし、うつ病や事故死の割合が低下するという研究結果もあります」

ただ、コーヒーに関する「新説」も出てきており、最近では朝にコーヒーを飲むタイミングに関して、「例えば8時に起床する人の場合、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が高い起床直後は避けて、分泌が減少する午前9時半から11時半のあいだに飲むといい」という説も生まれている。しかし、これに関しては、「時間栄養学の観点からそのような話がないとは言い切れませんが、そこまで立証できるエビデンスがないため、今後の研究が必要でしょう」(安中氏)とのこと。いずれにせよ、広く知られる集中力アップの効果、リラックス効果なども相まって、生活にさまざまなプラス効果をもたらしてくれるコーヒーなのだ。

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